味覚過敏を持つ発達障がいのお子様への支援

味覚過敏を持つ発達障がいのお子様にとって、食べ物の味や食感はしばしば大きなストレス源となります。
ストレスなく食事を楽しんでもらうには、どうしたら良いでしょうか?

この記事では、味覚過敏とはどんな状態で、子ども達がどう困っているのか。
放課後等デイサービスでどんな支援を行っているのか、ご紹介します。

発達障がいと味覚過敏:味覚過敏の子ども達に起こっていること

味覚過敏とは、味や食感に対して過敏な反応を示す状態です。
苦手な感覚に耐えることができず、吐き出してしまう、苦手な食品を見るだけで大変強い拒否反応を示す場合もあります。

味覚過敏の原因は完全には解明されていませんが、脳で行われる感覚処理の問題から来ると言われています。
嗅覚や味覚過敏は、ASD(自閉スペクトラム症)の人に多く見られる特徴です。
「白い食べ物は美味しくない」と、食品を見た目で判断したり、
「冷めたものは美味しくないから食べない」など、自分の中での食事のマイルールや考え方が譲れなかったり…。

発達障がいの特性上、こだわりが強い、一度あった嫌な体験を思い出しやすいといった傾向が、味覚過敏に繋がる可能性があるのです。
ただし、ASDであってもこれらの過敏性がない人もおり、過敏性があるからASDであるとも限りません。

味覚過敏の特徴や影響について、見ていきましょう。

  1. 「特定の味に対する強い拒否反応」
    →特定の味や食材に対して、不快感や嫌悪感を示します。
    例えば、極端な甘さ、苦味、酸味などを耐えられないと感じる場合があります。
  1. 「食感に対する反応」
    →食感に対しての過敏な反応です。
    例えば、柔らかい、粘り気のある、固い、粉っぽいなどの特定の食感です。
梅干し
▲梅干し
チョコレート
▲チョコレート
ネギ
▲ネギ
バナナ
▲バナナ
納豆
▲納豆
シュガードーナツ
▲シュガードーナツ(粉っぽい食べ物の例)
  1. 「選択肢の減少」
    →食品や献立の選択肢が限られ、栄養バランスが偏ってしまうことになります。
  1. 「食事に対する不安やストレス」
    →食事の時間がストレス源となって、「食べる」という行為自体を恐れたり、避けたりする可能性があります。
  1. 「社交的な場面での影響」
    →学校や友達との集まりなど、食事を伴う社交的な場面を不安、不快に思い、社交の機会を制限することに繋がります。
栄養バランス
▲栄養バランスの偏り
食欲がない少年
▲味覚過敏による食事への不安

このように、味覚過敏のある子ども達は、食事にすることに対して大きな不安を抱えています。
単なる好き嫌い・食わず嫌いとは異なる可能性もあるため、まずは「なぜその食べ物が嫌いで、食べたくないのか」を一緒に明らかにしていくことが重要です。

放課後等デイサービスにおける支援:味覚過敏を持つ子ども達へのアプローチ

ここからは、味覚過敏を持つ子ども達に対して、放課後等デイサービスで行っている支援をご紹介します。
Good Jobsでは、土曜日や長期休み期間など、学校がお休みの日に、みんなで昼食を食べたり、おやつを食べたりする時間を取ります。
自立のための買い物練習として、自分で昼食を購入するお子様もいらっしゃいますが、その際のメニュー選びは、味覚過敏のあるお子様にとっては1つの大きなミッションです。

ただ好きな物、食べられる物を選ぶと、「菓子パンのみ」「焼きそばと春雨スープ」など、栄養が偏りがちになるので、スタッフが一緒に商品を見て、本人が食べられる物の中から、なるべく栄養バランスの良いものを選んで組み合わせられるようにアドバイスをします。
何度か一緒に選んでいるうちに、少しずつ自分で「ご飯と唐揚げと…」と栄養バランスを気にしてメニューを選べるようになっていきます。

メニューを考える男性

また、学校の給食とは違い、放課後等デイサービスでは、自宅から持参するお弁当や、スーパーやコンビニで購入するお弁当、おやつ等を子ども達が眼にする機会、口にする機会が多くあります。
家では一切食べない惣菜やお菓子を、Good Jobsで初めて食べて、親御さんを驚かすこともあります。
このように、集団で自由に活動できることを通して、食べ物へのこだわりが少しずつ柔軟になったりする場面も見られます。

その他、「みんなの前で食べるのはあんまり…」など、大勢での食事に対する不安感を訴えるお子様もいらっしゃいます。
特に入所してすぐのお子様は、新しい環境への緊張感も相まって、みんなでご飯を食べることを嫌がることがあります。
その際は、無理にみんなと一緒に食べさせることはせず、まずは個室やパーテーションなどを使って、個別のスペースでリラックスして食べることを勧めています。
徐々に心を許せる友達が増えることで、みんなで一緒に食べることができるようになったお子様もいらっしゃいます。

食事を楽しむ子ども達
野菜を食べる女の子

このように、Good Jobsでは味覚過敏の特性のあるお子様一人ひとりの課題感や不安感に合わせて、その都度対処法を提案します。
安定した食生活を送り、健康に配慮しながら生活ができるということは、将来の自立にとっても必要不可欠なスキルです。
味覚過敏の特性のあるお子様でも、生涯にわたって安定した楽しい食生活が送れるよう、サポートしていきます。

就職し働く上で必要なスキルを培いながら、同時にITを学べる放課後等デイサービスGood Jobs!

随時、見学・体験行っております。
お気軽にお電話ください。
https://goodjobs.jp/contact/
Tel:0985-31-5519

ご利用のタイプ放課後等デイサービス
地域宮崎県宮崎市
クラスJr.クラス・Highクラス
対象年齢6歳〜18歳
この記事の内容・味覚過敏と発達障がいの関連性
・味覚過敏の特徴と、味覚過敏が子ども達に与える影響
・味覚過敏を持つ子ども達に対して、放課後等デイサービスで行っている支援
▲この記事について
PAGE TOP